アレルギー科

専門医による治療が可能

専門外来を設けております

アトピー性皮膚炎・食物アレルギー・気管支喘息・アレルギー性鼻炎など、小児のアレルギー疾患全般について診療しています。
初めての食物を食べて「ブツブツが出た」「咳が長引いている」「湿疹がなかなか治らない」など、アレルギーが心配なお子様の検査や治療を行い、日常生活の注意点をアドバイスします。重篤な症状や検査結果、治療経過によっては専門医療機関にご紹介し、安全に治療が行えるよう配慮いたします。
アレルギー疾患は問診・診察にお時間がかかることがあります。

特に初診の方は じっくり経過を聞かせていただくため、14:00〜16:00の専門外来でご受診ください。(予約制)

アレルギー反応の原因

アレルゲン(特定の食べ物や花粉など)が身体に入ってきた際に、その物質と結びつくIgE抗体が多数作られるほど、アレルギー反応のリスクは高まっていきます。
とはいえ、抗体を作る作用自体は自然なもので、免疫として有効に働くこともあるのですべてが有害ではなく、アレルゲンに対する過剰な反応だけが問題なのです。
アレルギー反応は遺伝的要素も関係しますが、環境的な要因に左右されることもあります。

WEB予約を
おすすめしています

当クリニックは、待ち時間をできるだけ少なくするため、予約システムを導入しています。
診察の順番については、予約患者様の診察を優先させていただいておりますので、ご了承ください。
土曜日は、ほかの曜日に比べて混雑するため、予約が取りにくかったり、待ち時間が長くなってしまう傾向があります。
緊急の場合については、まずはお電話でご連絡ください。

アレルギーの症状で
お悩みの方へ

些細なお悩みでも
お気軽にご相談ください。

ご連絡なしのキャンセルがされた場合、本来お急ぎの方が受診していただけるはずであった予約枠が活用できなくなることを、当クリニックとしては大変心苦しく感じております。WEB予約の無断キャンセルをされた方については、以後再予約をお断りさせていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。

主なアレルギー疾患

アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは、かゆみをともなう治りにくい湿疹が、長期にわたって続く病気です。
主な原因は、アレルギーにより皮膚の保護機能が低下してしまっていることです。
※6ヶ月以上(0歳児では2ヶ月以上)続くと慢性と判断します。

こんな症状はありませんか?

  • 皮膚がかさかさ、ごわごわしている
  • 強いかゆみがある
  • ぶつぶつや赤みがある
  • 左右対称に湿疹ができる
  • じゅくじゅくして引っ掻くと液体が出てくる
  • 湿疹発症後、6ヵ月経過している
  • 強いかゆみがある

検査・診断

血液検査
血液を採取してTARCの測定を行うことで、アトピー性皮膚炎の検査ができます。

治療

治療には主として、「炎症を鎮める薬物療法」「皮膚の清潔性や潤いを保つスキンケア」「アレルゲンを見つけてできるだけ取り除く環境の整備」の3つから構成されます。
どれか一つではなく、3つのバランスが必要で、まずステロイド外用薬で炎症を抑えてから、少しずつ薬剤に頼らない日を増やしていくこと、自己判断で治療をやめないこと、好ましい状態を維持する意識を持つことが重要です。
かゆみが激しいときには抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの内服薬も処方しますが、並行してスキンケアや環境整備も進めていきましょう。

食物アレルギー

食物アレルギーとは、特定の食品を食べた後にアレルギー症状を起こす状態です。
乳児期から幼児期にかけての主な原因は、鶏卵、牛乳、小麦が多く、成長するにつれて甲殻類やそば、果物類などのアレルギーが増えてきます。

こんな症状はありませんか?

  • 皮膚の症状…かゆみ、発赤、じんましん
  • 目の症状…充血、かゆみ、まぶたの腫れ
  • 呼吸器の症状…ゼイゼイする、激しいせき、鼻水、鼻づまり、くしゃみ
  • 消化器の症状…腹痛、下痢、嘔吐

検査・診断

問診
症状が出たときに食べたものや年齢、時間経過などを確認していくことで、アレルゲンの特定やどの程度の重症度かを知り、予測することができます。
血液検査
血液から特異的IgE抗体検査を行って、感作(かんさ:特定の抗原に対して過剰反応すること)の度合いを確認します。
IgEの数値が高いほど感作も多いことがわかります。ただし、検査で陽性であっても体内に取り入れたときに症状が出なければアレルギーの診断はされませんし、無理に取り除く必要もありません。
特異的IgE抗体検査で、何をどのくらい食べられるかの判断は不可能です。
皮膚テスト
皮膚の表面に少量のアレルゲンを置いて、プリックテスト専用の針で軽く刺すテストを行います。
アレルギーの可能性がある場合はテストした部位に膨疹が出てきます。特異的IgE抗体検査が不可能な、野菜や果物などに対するアレルギーを見る際に使用します。

治療

アレルゲンとなる食べ物に対する対処としては、一切摂取しないようにする「完全除去」と、症状が出ない程度を見分けて摂取する「部分除去」の2種類があります。
乳幼児期にはアレルギー症状が出ていても、成長と共に治癒に向かう傾向は高いので、症状の重さやアレルゲンの種類、年齢などを考慮しながら対応を検討していきます。また、近年はいったん除去した食物を少量ずつ摂る経口免疫療法もあります。

気管支喘息

喘息とは、空気の通り道である気道に炎症が起き、気道が狭くなり、発作的に息をするのが苦しくなる病気です。
できるだけ早いうちから、適切な治療を受け、発作が出ないようにコントロールすることが大切です。

こんな症状はありませんか?

  • 息をするとゼイゼイ、ヒューヒューする
  • 煙や冷たい空気などを吸い込むと、咳込んだり呼吸困難になる
  • 咳や痰がでて、 呼吸をするのが苦しい
  • 症状が明け方に起こりやすい

検査・診断

問診・病歴の確認
症状の程度や現れ方、ご家族のアレルギー歴、生活環境などを確認していきます。
血液検査
血液を採取して、花粉やダニ、カビやハウスダスト、ペットのフケなどに対する特異的IgE抗体を確認します。
胸部X線検査
レントゲンで肺を確認します。気管支喘息の発作を繰り返していると、肺が黒っぽく映りますし、肺の過膨張が見られます。
呼吸機能検査
息を吸った状態から吐ききるまでを確認することで、気道が狭くなる現象がどの程度進行しているかを見ることができます。また、この検査は治療の成果が上がっているかを見るときにも有効です。
呼気NO検査
息にどの程度一酸化窒素が含まれているかを確認できる検査です。気管支に炎症が起きていると一酸化窒素が発生することがわかっているので、この検査で重症度や治療の成果を確認することができます。

治療

気管支炎の治療は大きく分けると、喘息発作に対する治療と、発作が起きにくい状態を目指す治療の2種類に分類されます。
発作に対しては気管支拡張薬での対応が主流で、内服薬や吸入薬のほかに貼り薬もあります。一方発作が起きにくい状態を目指す長期的治療では、炎症を抑えるためのロイコトリエン受容体拮抗薬やステロイド薬を使用することが一般的です。
「ステロイド」という名称に抵抗を持つ方もいらっしゃいますが、指導に沿って使っていれば、副作用のリスクはほとんどありません。軽症のお子様にはロイコトリエン受容体拮抗薬(キプレスやオノン、またはシングレア)が効果を示しやすいことがわかっており、安全性の高さも評価されているのでしばしば処方しています。

アレルギー性鼻炎

アレルギー性鼻炎には、季節性のものと通年性のものがあります。
季節性のものは特定の季節のみに症状が現れるもので、花粉が代表的なアレルゲンとなります。
通年性のものは一年を通して症状が現れるもので、ペットの毛やハウスダストなどが代表的なアレルゲンです。

こんな症状はありませんか?

  • 口をあけて呼吸している
  • 突然むせることがある
  • いびきをかくことが多い
  • よく鼻をいじる(掻く)

検査・診断

血液検査
血液を採取して、花粉やダニ、カビやハウスダスト、ペットのフケなどに対する特異的IgE抗体を確認します。
鼻汁中好酸球検査
綿棒で鼻汁を採取して顕微鏡で観察し、好酸球数を確認します。
鼻誘発テスト
特定したアレルゲンを鼻の内部の粘膜に意図的にのせて、鼻水やくしゃみが出るかを確認します。

治療

アレルギー性鼻炎の治療は内服薬と点鼻薬が使用されます。
内服薬で代表的なのは、ロイコトリエン受容体拮抗薬や抗ヒスタミン薬で、点鼻薬はステロイド薬です。これらの薬剤で根本治癒はできませんが、症状を抑えることは可能です。